Vol.995~キュゥべえ(魔法少女まどか☆マギカ)@鉄道博物館駅

キュゥべえ @ 鉄道博物館駅

「やぁ、教祖君。今日、僕を呼び出したのには理由がありそうだね。
人は何故、憎しみ合うのを止めないのか、だって? それは僕が知りたいな。
けれど、僕が人間たちを観察して出した一つの答えは教えてあげられる。」

「君も知っているように、僕たちインキュベーターには感情というものが
存在しない。だから、互いを憎しみ合うこともないんだけれど……
前に、僕がまどかに言ったことは、覚えてくれているかい?」

「あの時、僕は確か〔認識の相違から生じた判断ミスを後悔する時、
何故か人間は、他者を憎悪するんだよね。〕と言ったはずだね。
でも、それ以外にも君たちは色々な理由で他者を憎むじゃないか。」

「君たちが〔どんな他者であろうと称賛し、共存しようとする心〕があるなら
こんなにも多くの争いは起きていないね。僕が観る限り、君たちの心は
〔他者を嫉妬や蔑視、怒りをもって攻撃し排除する〕ことでいっぱいだ。」

「僕たちにとっては善悪の概念なんて意味を成さないけれど
君たちの作った宗教はいつだって、独善と不寛容と言われる言葉と行為で
憎しみの連鎖を産みだして来ただろう? それが人間の歴史さ。」

「たまたま幸運な状況にいた人間たちだけが、覚者と呼ばれて
誰をも憎悪せずに生きられる環境を持つことができた。
結論としては、君たちが今のままでいる限り、憎しみ合うのは必然だよね。
それでは答えになっていない、だって、君はいつも失礼だなぁ。
いくら観察したって、君たちは洞穴に住んでいた頃から何も変わらない。
まどかたちのような魔法少女のいない世界で、人間たちは自らを救うしか、
他者を憎悪し争うことから解放される道は他に無いんじゃないかな。
いつか、すべての人間が覚者になる日が来るのを気長に待つとするよ。じゃあね。」